《12月》ティファニーが名付けた夜空色、タンザナイト。

タンザナイトとは

タンザナイトは12月の誕生石のひとつであり、紫色と青色がとても印象的な美しい宝石として知られています。
タンザナイトはゾイサイトという鉱石の一種で、正式名称は「ブルーゾイサイト」。年々産出量が減っていることから今日ではとても希少価値が高く、その薄暮の夜空を想起させるような色とあいまって幅広い年代に非常に人気のある貴重なジュエリーです。

タンザナイトの宝石言葉には「神秘」、「冷静」、「高貴」、「空想」、「知性」、「希望」、「誇り高き人」、など様々なものがあり、いずれもがタンザナイトの印象的な煌めきぴったりな言葉ではないでしょうか。

タンザナイトの特性、特徴

タンザナイトの特徴としてまず挙げられるものは、やはりその多色性でしょう。多色性とは、光の角度や性質によって色が違って見えるというもので、例えば自然光の下では青色に、白熱光の下では紫色に、といった風に、その名の通りタンザニアの夕暮れや夜の色相が絶妙に溶け合った独特の色彩が楽しめます。

モース硬度は6-7程度とそこそこのひっかき傷耐性で、劈開性もあるために取り扱いやお手入れには多少の注意が必要となりますが、硬すぎない鉱石独特の柔らかい優しい光も、タンザナイトの魅力のひとつと言えるでしょう。

また、タンザナイト(ゾイサイト)は含有される微量な金属イオンのバランスで様々な色に変化すると考えられており、それらが微妙に混ざり合いバイカラーやトリカラーのタンザナイトが誕生します。
複数色を含むタンザナイトは、カットする場所により其々配色が異なり、2つとして全く同じものが存在しないのだとか。

タンザナイトは希少性という観点ではダイヤモンド以上とも言われています。
世界中を見ても産出地が極めて限られていること、また前述のようにその採掘量も年々減少していることから、タンザナイトの希少価値はこれからもどんどん高まることが考えられます。

タンザナイトの歴史と由来

タンザナイトが発見されたのは実は比較的最近で、1967年のこと。
タンザニアのメレラニ鉱山で、マサイ族が青色の結晶を発見したことが宝石探鉱者のマニュアル・スーザー氏に伝えられました。そして、当初はブルーサファイアと考えられたその結晶は、化学分析の結果、ゾイサイトという鉱物であることが判明。

それまでゾイサイトは褐色で発見されることが多く、宝石としての価値はほとんどないとされていました。そんな中、突如としてブルーのゾイサイトが出現したことにより一躍宝石としての価値が高まり、発見されたのがキリマンジャロのタンザニアであること、そのブルーの輝きがキリマンジャロの夕焼けに似ていることから、米国の高級宝石商ティファニー社によって「タンザナイト」と命名され世界を席巻し、今日に至ります。

タンザナイトを発見したマサイ族は、幸運と積極性を象徴する深い青色を神聖なものとみなしており、かつてはマサイ族の女性が男性の子供を出産したときには、真珠と青い服、青いビーズなどが贈られていたといいます。
現在でもこの伝統は続いており、マサイ族の首長は妻が出産した際にはタンザナイトを贈るそうです。

タンザナイトは2002年に公式に12月の誕生石に加わりました。これは、1912年にアメリカの宝石商組合により誕生石が選定されてから初めてのことなのだとか。
まもなく訪れるホリデーシーズン。12月の誕生石であるタンザナイトは誕生日やクリスマスの贈り物として、まさにぴったりなジュエリーです。