《6月》アレキサンドライト~その二面性は「秘めた想い」

アレキサンドライトの特徴

2021年、63年ぶりに行われた誕生石の改訂において、6月の誕生石に新たに追加されたアレキサンドライト。クリソベリルという宝石鉱物の変種で、特筆すべきはその「変色性」。太陽光のもとと白熱光のもとでは放つ色味が変わるという、ふたつの輝きを楽しめる宝石です。昼間の太陽光に当たると青や緑、夜は白熱光に当てると赤や紫に輝きます。その美しさは「昼はエメラルド、夜はルビー」と形容されるほど。この現象は、アレキサンドライトに含まれるクロムとバナジウムが由来していると言われており、この色の変化の振り幅が大きいほど価値が高いものとされています。クリソベリルには他にもいくつかの変種がありますが(クリソベリルキャッツアイ、パロットクリソベリルなど)、その中でもアレキサンドライトの希少性は高く、その変色性は他の宝石と比べても群を抜いています。よって、クリソベリルの中ではもっとも美しい宝石と言えるでしょう。


アレキサンドライトの歴史

アレキサンドライトは1830年にロシアのウラル山脈ではじめて発見されました。実はその発見された日が、当時のロシア帝国の皇太子であり、のちのロシア皇帝であるアレクサンドル二世の誕生日だったそうで、彼の名前が由来となっていると一説には言われています。

はじめてアレキサンドライトを見た人は、太陽光のもとで輝く緑色の宝石を最初エメラルドと勘違いしたそうです。その変色性を人々が認知すると、その緑と赤の色味がロシア帝国をあらわす色と同じだったため、一躍人気を博したそうです。とりわけロシア陸軍の軍服のカラーがジャケットが緑ズボンが赤という組み合わせで、それにちなんで危険を察知するお守り、戦いに赴く際の守護石として大いに親しまれました。

その後、インドやブラジルなどでもアレキサンドライトが発掘されるようになりましたが、その採掘方法はとても困難なものであり、そのことがよりアレキサンドライトの希少性を高めています。


アレキサンドライトの効果

アレキサンドライトの石言葉は「高貴」「光栄」「秘めた思い」。その二面性からふたご座の守護石ともされています。先述したとおり、古くは戦いに赴く際のお守りとして親しまれたアレキサンドライト。今でも魔除けの効果があると信じられ、周囲のネガティブな気から持ち主を護り、自尊心を高めてくれます。また、その変色効果から「変化の石」とも言われており、環境の変化や新たなスタートを切る時、その人の成長を促すサポートになってくれるでしょう。変化というものは時に勇気を要しますが、アレキサンドライトのパワーが自分への変革を起こす勇気、そして自身が本来持っているポテンシャルとのバランスを取り、よりよい未来を築くことができるのです。

このことからも通ずるのが、もうひとつの効果「周囲とのバランス」を取るというものです。周りの言われるがまま、何事にも受け身になってばかりでは良くないですし、かといって我を押し通して頑固になりすぎても物事はうまくいきません。アレキサンドライトは持つ人に柔軟性とバランス感覚をもたらし、むずかしい局面でもあなたをサポートしてくれるお守りとなってくれます。


アレキサンドライトと相性の良いパワーストーン

・ムーンストーン

同じく6月の誕生石であるムーンストーンとアレキサンドライトの組み合わせは、ムーンストーンがあらわす女性性をより高め、女性らしい魅力をアップしてくれるでしょう。アレキサンドライトのバランスをもたらすパワーがおだやかな女性らしさをもたらします。


・カイヤナイト

ムーンストーンがあらわす女性性に対し、カイヤナイトとアレキサンドライトの組み合わせは男性としての魅力を高めるとされています。自立心をもたらす、あざやかなブルーに輝くカイヤナイトと変革を起こす勇気を与えてくれるアレキサンドライトの相乗効果により、新たなステージへたどり着くサポートをしてくれます。


・ダイヤモンド

その価値が高いふたつの石の組み合わせは、なんといっても「高貴さ」です。あらゆる面でその力を増幅させるというダイヤモンドとの組み合わせは、互いの効果を最大限に引き出し、持つ人のより強力なお守りとなってくれます。


・プレナイト

淡いグリーンがやさしく輝くプレナイトは「物事の本質を見抜く」というパワーがあります。このプレナイトとの組み合わせにより、前進する為の的確な判断ができるようになるのです。変革をもたらすアレキサンドライトの効果を、さらに明確で望ましいものにしてくれるでしょう。